横浜市青葉区大人のピアノ教室 あおばピアノの部屋ブログ

練習は「急がばまわれ」

レッスン始めの一週間が終わりました。

年末年始はあわただしく、落ち着いてピアノを練習する時間など
ないのではと思うのですが
(実際、私は1回ぐらいしかピアノを弾きませんでした… )
5日(火)のレッスン始めの日から、
「あまり練習出来ていません」とおっしゃりながらも
皆さん、確実に12月最後のレッスンの時よりも弾けるようになっていらして
感心しました。

しかも手帳を見てみると
新年明けてから既に18名ものかたがレッスンにいらしたことに!
熱心な皆さんのおかげで私も正月ボケが一気に吹き飛び
平常の生活モードに復帰できました。

さてそこでひとつ、練習熱心な皆さまにお願いがあります。

12月にコンサートが終わり、今は新しい曲に取り組み始め
譜読みを終え、少し音に慣れて来たという段階のかたが多いと思いますが
この段階の練習方法として
最近レッスンをしていて気になったことがありました。

それは、まだ指使いが定まらず、強弱など楽譜に書かれていることが
表現できていないのにテンポを上げて弾いている、
それから、最初からずっとペダルを踏んでしか練習していない、
というかたが多いことです。

早く曲を仕上げたいという気持ちはわかるのですが「急がば回れ」です。
この段階で焦らず丁寧に練習しておくことが、
結局は一番効率よく上手に弾けるようになるポイントです!

フレーズの切り方、スタッカートやアクセントなどの表記、
強弱や指使いなど基本的なことをマスターしないうちに
テンポだけ速く弾けるようになっても
暴走しているような雑な演奏になってしまい上手に聞こえません。
そして、一度速く弾いてしまうとテンポを落とすことが難しくなり
こまやかな表現をつけるのに時間もエネルギーも
多く費やさなければならなくなり苦労します。

また、ペダルを早い時期からずっと踏んで練習ばかりしていると
響きで誤魔化されて、それなりに上手に弾けている気分になってしまいます。
でも、少し経つと「なぜかそんなに上手に聞こえない」
ということにご自身も絶対に気がつきます!

それは、レガートのところがボツボツ切れていたり、
タイの音がしっかり保持されていないために
声部の重なりが表現されていなかったり、
メロディーの抑揚が十分に歌えていなかったり…と
本来、譜読みの段階でしっかりクリアしておくべき細かいことが
ペダルの響きのおかげで気づかずに置き去りにされているからです。

また、ペダルに頼って弾くことに一旦慣れてしまうと
今度は踏んでいない状態では音がわからなくなり
途端に弾けなくなってしまうことも…。
そうなると、ペダル中毒も重症レベルです。

ペダルの響きは、ピアノ演奏にはなくてはならないものですが
譜読みの段階から当たり前のように踏んでしまうのは危険です!
ペダルをつけないで弾く練習も必ずやってから使うようにしてください。

ペダルは、音が切れずにつながって聞こえるようには出来ても
それとレガート(なめらか)に弾けていることとは必ずしも同じではありません!
私の耳は誤魔化されませんよ~~~。

せっかくレッスンにいらしてくださっているので、
私も全神経を集中して皆さんの音に耳を傾け
今年も引き続き、皆さんに美しい演奏を楽しんでいただけるように
お手伝いをしていきたいと思います。