今年もいよいよ残すところ4日となりました。
今日が仕事納めというかたも多かったと思いますが
来月からの移転先でのレッスンに備え
年内にピアノを移動させる都合上
私は例年より早く、一昨日レッスン納めをしました。
そして、昨日無事にピアノの移動が済みました。
ピアノのなくなったレッスン室……
教室メンバーとのたくさんの思い出があり
ちょっと寂しい気持ちになりました。
そしてこちらが来月から約4か月レッスンをする部屋。
同じピアノなのに、ロケーションが変わると
こんなに聞こえ方が違うのか!と
教室の皆さんは、最初ちょっと戸惑うかもしれませんが
それもなかなか出来ない経験ということで、お許しを~。
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さて、ここで悲しいお知らせをしなければなりません。
5月にフィリアホールでのジョイフルコンサートで
調律をしてくださった瀬川宏さんが、
天国へ旅立たれました。
3月に癌が見つかり、
すべてのお仕事をキャンセルしていたなかで
うっかりキャンセルし忘れてしまった
私たちのコンサートに、無理して来てくださり
お目にかかったのが最後となってしまいました。
びっくりするほど痩せてしまわれていたので
心配していましたが、
こんなに早くお別れの時がくるとは思いませんでした。
瀬川さんには無理をさせてしまいましたが
教室の皆さんに、瀬川さんの調律したピアノを弾くという
貴重な経験をしていただくことができて
本当によかったです。
あの日のスタインウェイは、いつにも増して
繊細で品のある素晴らしい響きでした。
ピアニストが最高の演奏ができるように……
そして、ピアノから最大限の魅力を引き出す……
調律師によって
ピアノは何度も新しい命を吹き込まれるのだと思います。
私たちはもう、瀬川さんの音を楽しむことはできませんが
天国のピアニスト達は、
瀬川さんが来て、さぞかし喜んでいることと思います。
ご冥福を心よりお祈りいたします。
~「朝日新聞」訃報欄より~
ヤマハに入社し68年から欧州赴任。
リヒテルやミケランジェリら
数々の名ピアニストの専属調律師を務め、
ショパン国際ピアノコンクールなどでも調律を担当した。