ピアノ連弾とは?

「ピアノ連弾」とは、一台のピアノを二人で弾くアンサンブルのことである。

※時に、二台ピアノのアンサンブルにも「連弾」という言葉が使われることがあるが
その場合、「ピアノ二重奏」と言われることの方が一般的である。

連弾の歴史

ニコラス・カールトン(Nicholas Carleton)の「A Verse for two to play」とトーマス・トムキンズ(Thomas Tomkins) の「A Fancy for two to play」が最も古い作品の例だと言われている。(カールトンとトムキンズは、17世紀初期から中期のイギリスの作曲家。)

しかし、これらは5オクターヴ半という小さなハープシコードのために書かれており、また鍵盤の幅も狭かったので、"ふたり並んで弾く"ということがとても窮屈であった。また、当時は技巧をこらした名人芸的なテクニックがもてはやされた時代だったので、苦労しながら地道に音楽を追求する連弾は片隅に追いやられた。・・・など諸々の説により、その後約一世紀の間、連弾は影をひそめた。

連弾が、成熟したピアノ曲のジャンルとなったのは、18世紀末期で、火付け役はヨハン・クリスチャン・バッハとモーツァルトであった。モーツァルトは、自作を姉のナンネルと仲良く公開演奏した。当時「二人の子供が一台のピアノをふたり一緒に演奏します・・・」と派手に宣伝されたことと、この曲の中にはふたりの手が交差しながら弾く曲芸テクニックが使われていたことなどから、多くの聴衆を集めたという。

連弾処女作のヒットに気をよくしたモーツァルトは、続いてザルツブルクで連弾曲第2作、3作目も作曲しウィーンに連弾演奏を花開かせた。このあたりから、作曲家は有名無名を問わず連弾曲を競い合うようになった。

19世紀に入ると、ピアノ楽器そのものの発展→鍵盤の拡大(7オクターヴ半へ)や弦の張力の進歩といった改良に伴い、連弾曲も大きく変化することとなった。音楽表現の高度な可能性、オーケストラ的要素などの多様な表現性の認識から、シューベルトをはじめ優れた連弾作品が生まれた。

また、この頃の大衆の要求が、有名なオペラや耳慣れたオーケストラの曲を手軽に家庭で友達と~先生と連弾で演奏することで、このため多くの名曲がピアノ連弾用に編曲された。

その後も時代の流れと共に、多くの作曲家が連弾曲を生み出し、そして弾き継がれ、現在では連弾関連のコンクールやフェスティバルも世界各地で催されるようになり、連弾はピアノ音楽の中に確固たる地位を確立した。

連弾の楽しみ

● パートナーと一緒に音楽を作る楽しみ
● ソロでは出せない音域まで同時に演奏することができるので、ピアノの持つ豊かな響きを満喫できる。
● 音量も、単純に言えばソロ演奏の倍の大きな音まで出すことができるので、ダイナミックな演奏が楽しめる。

連弾の苦しみ

● ひとつの鍵盤をふたりで共有するのでちょっと窮屈
● ふたりの音色をそろえること、同時に打鍵すること
● お互い「どう弾きたいか」が、はなはだしく食い違った時


【参考文献】
「ファミリーピアノのすすめ~連弾を楽しむ」 児玉邦夫・幸子:著
「ムジカ・ノーヴァ みんなで連弾しよう」 1993年1月号

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