レッスン室でのメンバーとのおしゃべりは、
いろいろと知らないことをおしえていただいたり、
考えさせられたりすることも多く、
私の楽しみでもありますが、
先日、話しの流れのなかで突然
「ところで、作曲家に男性が多いのは何でだと思いますか?」
と問われました。
私はそれまで、
「これは男性がつくった曲だ」と意識して弾いたことはありませんでしたし、
「なぜ男性の作曲家ばかり?」などと考えたこともありませんでした。
改めて考えてみると、
50年以上、毎日のようにピアノを弾いているにもかかわらず、
私自身、今まで女性作曲家の曲は
「乙女の祈り」のパダジェフスカと、
連弾曲でメンデルゾーンの姉・ファニー・メンデルスゾーンと
タイユフェールしか弾いたことがありません。
50回近く開いている教室のコンサートでも、
女性の作曲家は、クララ・シューマン、キャサリン・ロリン、
轟千尋さんの3人の曲ぐらいしか
弾かれたことがないと思います。
「う~~ん、そうですねー(…と、しばし考えこむ)。
古い時代は、西洋といえどもやはり
女性は子供を産み育て、家庭を守る役割がメインだったので、
作曲を勉強して、
それを仕事にできるような環境、ご時世ではなかったのでは?」
というのが私がそのとき絞りだした答え。
「でも近年は、子育ても家事も昔とは全然違うし、
勉強も仕事ももっと自由に選択できますよね。
それでもやはり、作曲家や画家って
男性の割合のほうが圧倒的に多いでしょ?」
と、鋭いツッコミが!
そして、メンバーさんが
ご自身の考えをお話し下さったのですが、
それがなかなか興味深かったです。
それは、『女性は子供を生み出すことができるけれども
男性はできない。
だけれど、何かを生み出し後世に残すという欲求はあるので
曲や絵という作品を生み出すことで、
その欲求を満たそうとするから』というもの。
なるほど、そのような考え方もあるのですね。
このような「なぜ?」には、
ひとつの“正解”はなく、
メンバーさんの考えのようなものを含め
少しずつのいろいろな理由があるのかもしれません。
ちなみに、ネットで少し調べてみたら
「男性のほうが集中力があるから」とか、
「女性は図面を頭の中で回転させるのが不得意だから、
楽譜のように混み合ったものを作るのは苦手」といった
「男脳」と「女脳」の違いに関連づけて説明してあるコラムがありました。
昨今、ジェンダーにかかわるトピックを語るのは難しい面もありますが……
さて、皆さんはなぜだと思いますか?