横浜市青葉区大人のピアノ教室 あおばピアノの部屋ブログ

先生の教えを引き継いで

コンサートが終わりこの一ヶ月は、新しい曲に取り組み始めたメンバーのレッスンが続きました。

早く仕上がりの雰囲気で弾いてみたいという気持ちはとてもよくわかるのですが、まだ指の動きや表現が安定していない今の段階では少し速すぎるテンポで練習しているかたが多い印象です。

この時期はいつもしつこく譜読みの大切さについてお話しして恐縮ですが、効率よく美しい演奏に仕上げるためには、今の段階で焦ってテンポを上げようとしないで、丁寧に楽譜を見てゆっくり練習することが大切です。

先日レッスンでそのことを話している時、ふと子供のころに習っていた先生から「3匹の子豚」の話しを引き合いに譜読みの大切さを教えられたことを思い出し笑ってしまいました。

「3匹の子豚」は、子豚3兄弟がそれぞれ家を建てることになり、長男は時間をかけずすぐにできる藁を使い、次男は少しだけ手間のかかる木を使い、一番下の弟は計画を立ててから何日もかけてひとつずつ丁寧にレンガを積んで家をつくる。お兄さんたちは「そんなことに時間をかけなくても家は建つ」と一番下の弟をバカにしますが、狼が襲ってくるとお兄さんたちの家はあっという間に壊され、弟の家だけはビクともしなかった、というお話。(注:これはざっくり大雑把なあらすじです。)

3匹の子豚イラスト

先生が言いたかったのは、一番下の弟豚が家を建てたように、譜読みの段階から時間をかけて丁寧に演奏の土台をかためておくと、狼さんが来ても(=発表会で緊張しても)崩れない立派な演奏ができますよ、ということだったと思いますが、何十年経った今でも覚えているということは、幼い私にとってこの教えは相当インパクトがあったのだと思います。

譜読みについてはもうひとつ、大学時代の先生に言われて強く印象に残っていることがあります。

「この曲を作ろうと思ったとき、作曲家の目の前には何も書かれていない五線譜しかなかったんだよ。いま目の前にある楽譜に書かれているすべての音符や休符、記号は、作曲家がひとつひとつ五線譜に書き入れていった意味をもつものなのだから、譜を読む時はどんな小さなことにも気を配り、まずはできるだけ楽譜に忠実に弾くよう心がけなければいけない。」

五線譜の写真

趣味のピアノなのだから、譜読みについてそんなにうるさく言わなくても……とも思いますが、コンサート近くなると必ず聞こえてくる「なんだかきれいな演奏に聞こえない」「もっと上手に弾きたい!」などの切実な声。
完成度の高い演奏は、最初の段階の丁寧な譜読みがあってこそです。

新しい曲に取り組み始めて最初の1~2ヶ月は、すらすら弾けるところと弾けないところが混ざっている段階なので、テンポを上げての練習は我慢して、まずはゆっくりで構わないのでできるだけ一定のテンポで流れを止めずに弾けるような練習を心がけてみてください。

そして「楽譜に書いてあることができているか」だけでなく、「楽譜に書いていないことをやっていないか」のチェックもお忘れなく!