横浜市青葉区大人のピアノ教室 あおばピアノの部屋ブログ

贅沢なピアノレッスン

連日35℃超えの先週から比べるとだいぶ過ごしやすくなった…とは言え、
やはりまだ暑い!
熱中症になりかけて具合が悪くなった人の話を毎日のように耳にするので
教室までの道のり、どうぞくれぐれも気をつけてくださいませ!

こちらでご案内するのがすっかり遅くなってしまいましたが、
2週間ほど前にAll Aboutの記事をアップしました。
何年か前にバラエティ番組でも取り上げたそうなので
知っている人は知っていて面白くありませんが
ピアノを弾かないピアノ曲』についてです。
ご興味があればご一読ください。

さて今日は、私が先日経験した
今までの人生で一番『贅沢』なピアノレッスンのお話を。

なにが『贅沢』だったかというと、レッスンに使ったピアノ。

ベーゼンドルファーというオーストリアで創業されたピアノメーカー(現在はヤマハ傘下)の
「Imperial(インペリアル)」という奥行き290cmのコンサートグランドです!

このピアノの最大の特徴は、その鍵盤の数。
現代の一般的なピアノの鍵盤数は88鍵ですが
「インペリアル」はそれより更に9鍵多い97の鍵盤をもちます。

その9鍵は、以前のモデルでは間違って弾いてしまわないように
蓋で覆われていましたが、現在は白鍵が黒く塗られています。

下世話な話になりますが…お値段は教室のグランドが20台近く買えるほどでございます。

まさかこのピアノを使って自分がレッスンをする日が来るとは
夢にも思っていませんでした!

ベーゼントルファー インペリアル

しかも、そのレッスンのお相手は、なんと3歳のお子さま!
(「レッスン」と呼べる内容だったかどうかも???ですが…)

私の高校時代のクラスメートで、今や国際的に活躍している作曲家の愛娘が
最近ピアノに興味を持ち始めたので
レッスンを始めるべきかどうか見極めて欲しいと頼まれ
最初は断ったものの、彼の家のピアノがインペリアルだと聞き
インペリアル弾きたさに引き受けてしまったのでした。

でもここ15年近く、大人の生徒さんしか教えていない私にとって
幼児のレッスン、しかも導入レベルなんぞ、未知の世界同様!
いやいや…本当に大変でした。

約束した時間に行くと、タイミング悪くグッスリお昼寝中。
当然、寝起きはレッスンどころではありません。
ママにかじりつき離れない…床にへばりついてぐずる…突然寝たふりをする…。
ようやくママの膝の上に乗ってピアノの前に座ってくれるまで、30分ほどかかりました。
この時点で私はすでにヘトヘト。ピアノを楽しませる自信もすっかり失せていました。

でも、絵本のような教材を見ながら、それぞれの絵に合った音を鳴らしてみようという
半分遊びのような練習を、ひとつずつ面白おかしく物語を作りながらやっていくと
鍵盤でいろいろな表現ができることの楽しさがわかり
結構長い間、夢中になって私の言うことを聞いてピアノに向かっていてくれました。

正直、日頃のレッスンであれほど脳みそを駆使して
創意工夫にエネルギーを費やすことはありません。
いつものレッスンと勝手が違い、たったの20分程度でくたくたになりましたが
導入レッスンの最初の一歩としてはまずまず成功だったのではと思います。

引き続き定期的にレッスンを、という有り難いお話もいただきましたが
久しぶりに子供のレッスンをしてみて
改めて大人と子供のレッスンはまったく別物だなと実感。
それぞれに違った難しさがあります。
私は、今後も大人のかたが生涯ピアノを楽しんでいくためのお手伝いに専念し
精進していこうという思いを強くしたのでした。

しかし…インペリアル弾きたさで引き受けたこのレッスン。
気がつけば、インペリアルで弾いた音といえば
車のクラクションや動物の鳴き声を真似た音、
「アナ雪」や「サザエさん」のメロディーだけで
弾かせてもらおうと思っていたバッハやショパンの曲は
不覚にも何ひとつ弾かずに帰って来てしまったーーー!

…ということで、せっかくのチャンスをうっかり逃し
なんともガッカリした『贅沢』なレッスンの一日でした。