ジョイフルコンサートまで1ヶ月となりました。
10月に入ってから、レッスン時には必ず1回録音をして
客観的に自分の演奏を聴くようにお願いしています。
小さなマイクで録った音なので
細やかなニュアンスや強弱の幅などは
実際の演奏よりも少し控え目に聞こえますが
曲全体の流れを客観的に聴くことで
自分のイメージと違っていたり
集中的に練習する必要のあるポイントに気づいたりするので
録音は、楽譜を見ながら最低2回は聞くようにしてみてください
絶対に役に立ちます。
さて、レッスンの中で この1週間
特にCrescendo(クレシェンド)とDecrescendo(デクレシェンド)について
お話しすることが多かったので
ここで取り上げてみることにしました。
(たまには、実のあるお話も載せないと・・・反省・・・ )
まずは、クレシェンドとデクレシェンドの意味の確認から~。
クレシェンド は「成長する、大きくなる」という意味があり
会話の中では、動植物や人などの成長を表現する時に用いられます。
そして、デクレシェンド(ディミヌエンド も同じ意味)は
逆に「だんだん減少する、小さくなる」という意味です。
(※ 念のため・・・イタリア語です)
いずれも、ポイントは「だんだん、少しずつ」というところで、
決して急激に変化することではありません。
皆さん、もう一度じっくりと楽譜を見てみて
自分がどのようにクレシェンドとデクレシェンドの音量の変化を表現しているか
チェックしてみてください。
"なんとなく" では伝わりません!
そして、ただ単に音量が大きくなったり
小さくなったりするのではなく
「どのぐらい」「どのように」 音量を変化させるかを
あらかじめ決めておき、しっかり意識して弾くことも大切です。
■ レッスンで注意することが多い例をあげてみます。
たとえば、下にあげたような楽譜の場合、よくありがちなのは
ハーモニーが変わる四分音符ごと(右手の6つの音のグループごと)に
はっきり区切りをつけて4段階で音量を下げていく弾き方(デクレシェンドする)。
確かに、「だんだん小さくなる」ようには聞こえますが
音量を4段階に分けて大雑把にしぼった感じになり
繊細な演奏とは言えません。
一方、次に示したように
デクレシェンドがかかっている右手の24個の音の粒を
少しずつまんべんなく小さくしていくようなイメージで弾くと
なめらかで丁寧な印象を与える演奏になります。
実際に、"24個の音をまんべんなく小さくする" なんてことは
出来ませんが、それぐらいのつもりでよく聞いて弾くだけで
デクレシェンドはグッと繊細さを増し、演奏効果が上がります
同じ動きを2回繰り返す左手のオクターヴも
右手に気を取られていると、ハンコで押したように
同じ音量で素っ気なく弾いてしまいがちですが
2回目のほうを、1回目よりも小さく弾くと
演奏効果が一層高まり、吸い込まれていくような
美しいデクレシェンドが表現できます。
このように文字にしてしまうと
ややこしくて面倒くさく感じると思いますが
レッスンで実際にその違いを聞き比べていただくと
皆さん必ず「この方がずっといいです 」と感激されます。
努力した成果は必ず演奏にあらわれます
本番まであと一ヶ月、更に耳を研ぎ澄まし
細やかに音量のコントロールが出来ているかチェックしながら
練習するように心がけてみてください。