コンサートまでちょうど一ヶ月となりました。参加予定の皆さまは、今週土曜日がエントリーの締切りですので忘れずにお願いします。
さて、毎回コンサートが近づいてくると「家で練習していても心臓がドキドキするんです!」とか「もう今から緊張しています。こんな状態で本番はどうなっちゃうのでしょう?」など、心配する声を毎日のように聞くようになります。
「どうすれば緊張しなくなりますか?」と聞かれることもありますが、私も未だかつて本番で緊張しなかったことは一度もありませんし、緊張は演奏に悪い影響を与えるばかりとは限らないので、それは当たり前のことと受け入れてこれからの一ヶ月は、緊張してもいつものように弾けるための練習を心がけて頂きたいと思います。
今までこのブログでも何度か、本番に向けての準備に役立つ練習法や本などを紹介してきましたが、メンバーの皆さんの心に一番響いたのは、去年のちょうどこの時期に紹介した稲垣えみ子さん著の「老後とピアノ」ではないかと思います。
そのなかの『ああ、発表会』というチャプターからの抜粋はレッスン室でもよく話題になり、本を買ったというかたも多かったですが、たぶんもう忘れていると思いますので、昨年5月1日のブログの後半の抜粋部分を、是非もう一度読んでみてください。
本番までの練習にきっと役立ちます。
■ 2022年5月1日の「気まぐれダイアリー」:『老後とピアノ』
そして今日はもう一冊、宇治田かおるさん著「からだで変わるピアノ」の『緊張とのつきあい方』という章から参考になりそうな箇所を抜粋してご紹介します。
『からだで変わるピアノ』宇治田かおる:著より抜粋
緊張したときは、身体が固くなります。そして、もともと固い身体の使い方をしている部分があると、固さの度合いが増してしまいます。少々固い身体の使い方をしていてもいつもなら無理をして弾けていたところが、本番では弾けなくなってしまうのです。そこで、やはり普段から固さのない柔軟な身体の使い方で弾いているということが、本番の自分を助けてくれます。
<中略>
緊張しているときは、冷静なコントロールがなかなかできません。ということは、ふだんやっていることが無意識のうちにでるということでもあります。いつも、柔軟な身体の使い方をしていれば、弾き始めは緊張によって身体が固くなっていても、弾いていくうちにいつもの柔軟な動きが出てきますから、精神的には緊張していても、身体の柔軟性は取り戻していくことができます。そうすれば、緊張による演奏のダメージが緩和されます。
<中略>
緊張感そのものは、集中力にもつながるので悪いことばかりではありませんが、「あがって」しまうのは良くありません。あがったときは、身体の重心も上がっています。その状態のままでは、気持ちも落ち着きませんから、椅子の上にきちんと体重が乗っているのを意識して、息を吐きながら、気持ちと身体の重みを下げるようにしてみると良いと思います。
私が特に大切だと思ったところを太字にしてみましたが、稲垣えみ子さんの本に書かれていた”緊張対策”と共通していて、ざっくりまとめれば『ふだんの練習が大事』『無駄な力を入れずに弾くことが大事』ということです。
緊張すると呼吸が浅くなり、体がガチガチになって、手も冷たくなっていつものように動かないかもしれません。
それはすべて「想定内」なので、深呼吸をしたり、意識的に体をゆるめたり、ホカロンを用意したりと、予めしっかりと対策を考えておくと落ち着くことができます。
ちなみに私はステージに出て行く直前に必ず舞台袖で、”両手を思いっきり上げて伸びをする”、”アキレス腱伸ばしをする”、”ピョンピョン跳ねる”、”肩から手をだらんと垂らし体を揺する”をルーティンとして体をゆるめるようにしています。
ドレスアップしている時にやるとちょっとカッコ悪いですが、効果ありますよ!
是非お試しを。